Ubuntu9.10では、Intel系の内蔵ビデオチップのパフォーマンスが向上
最近、9.04が出たばかりのUbuntuですが、早くも次期バージョンである9.10のα版が公開されたようです。
http://www.ubuntu.com/testing/karmic/alpha1
9.10の大きな特徴として挙げられているのが、Intelのチップセット内蔵のGPUのパフォーマンスが大きく向上するということがあります。
9.04までのX serverではIntelのグラフィックチップセットはデフォルトではEXAというアーキテクチャで動作しています。これはVRAMに画像データを格納していくため、VRAMが一杯になるようなデータサイズになるとメインメモリの方を使い始めます。普通の独立型GPUならばVRAMよりメインメモリの方が遅いですから、いわゆるメインメモリが不足した時にHDDのスワップ領域にデータを書き込んだような速度の低下が発生します。これは、メインメモリとVRAMが共有関係にあるような内蔵型のGPUでも起きるようです。おそらく、VRAM領域用に確保している部分と汎用データを書き込む部分では、データとの書き込み方が違うことによると思われます。
これが、9.10ではデフォルトでUXAというアーキテクチャに変わるようです。UXAではメインメモリに画像データを格納しておいて、VRAMはキャッシュのような扱いになるようです。これにより、EXA発生していたようなパフォーマンスの低下が見られなくなるようです。IntelのチップセットだとXはもっさり動作というのがよくある不満として挙げられていましたが、これが解決しそうですね。実のところ、9.04でもUXAには出来るようなのですが、動作が不安定であるようなので9.10での安定化に期待したいところです。
ネットブックではGMAがよく使われるので、ネットブックにUbuntuを入れる場合においても恩恵に与ることができそうです。
なお、UXAのテスト状況は下記サイトで確認できます。
https://wiki.ubuntu.com/X/UxaTesting
現時点でも概ね改善されているようです。パフォーマンスの向上だけでなく、選べなかったリフレッシュレートが選択できるようになったりといった、副産物的なメリットもあるようです。ただ、やはり開発版であるだけに不安定になってしまったという人もいるので、メインマシンに導入するのだけは避けるべきですね。(って、α版をメインにする人はいないかw)
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